2016年12月04日

丸池様と牛渡川

丸池様

約ひと月ぶりの更新になります。お待たせしてしまいすみません。
神泉の水に引き続き、場所は山形県の遊佐町です。

湧水の町、遊佐には「丸池様」というとても綺麗な湧水池があります。

(これがとてもわかりにくい場所にあるのです。
私がどのようにして丸池様へたどり着いたのか、記事の最後に書いておきますが、
興味ない人は無視してくださいね。
だけどちょっと覚えておきたい思い出なので、メモとして使わせてください。)

……ですが。
「夏はダメだねえ」
ひょんなことから知り合ったご夫婦の旦那さんが私に言いました。
「藻が浮いてますよね」
「うん、あんまり綺麗じゃないね」
丸池様は本当に綺麗な、湧き水だけを水源とした池。色は幻想的なエメラルドグリーン。
……だそうですが。
この日はとても暑かったからなのか、お世辞にもそうは見えない丸池様。
アオコ(?)が浮いていて、せっかくの透き通った水もあまり見えない状態でした。
上の写真はなんとか良く見える角度を探して撮影したものです。
もっと美しい姿の写真がネット上にもたくさんあると思いますので、気になる方はチェックです!
私と入れ替わりでやって来た、数人の渋いおじいちゃんグループの会話が耳に入りました。
(こういうグループいいですよね。小学校からの親友で、今でもつるんでる…的な)
「ただの沼じゃん」
「まああの辺見ると、辛うじて青いんだろうなーっていうのが」
「あー、あの辺ね。わかりにくいよ!」
一同ケラケラと笑う。どうあっても楽しそうでよろしいことです。
……うーん、やっぱり来た時期が悪かったかなー。まあ自然のものだし、しょうがないですよね。


牛渡川とバイカモ

けれど、夏に来てよかったと思えることもありました。

写真は、丸池様の近くを流れる牛渡川(うしわたりがわ)です。
丸池様と同様、とても透明度が高く、清流にしか生息しないバイカモという藻が見られます。
夏期には白くて可愛らしい花をたくさんつけるのです。
その花の形が梅の花によく似ていることから、「梅花藻(バイカモ)」と名付けられました。
バイカモは冷たくて流れのあるところを好むため、川の水に触れるととても気持ちいい。
川べりで涼んでいる人たちもたくさんいました。
ちなみにバイカモは日本固有種です。
日本ならではの夏の思い出が、また一つ増えました。


東北旅行つづき ⇒ 鳥海山と鎮守の森
まえ ⇒ 日陰のあじさい

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さて、私がどうして丸池様にたどり着いたのかというと。

付近まで来たはいいけどそこから道がわからなくなり、スマホの地図とにらめっこをしていると、
一台の乗用車が私のそばで停まりました。乗っているのは50代くらいのご夫婦でした。
運転席から旦那さんが出てきました。
「あの、丸池様ってどう行くかわかります?」
仲間が増えたと思いました。
「あ! 自分も丸池様行こうとしてたんですけど、すいませんちょっと迷っちゃってて〜」
「あ〜そうなんですね!」
「道わかりにくいですよねえー」
「そうなんですよ、私らも迷っちゃって。すみません、ありがとうございます」
そう言って、案外あっさりと車に戻って行ってしまった彼。
さては大体の見当はついてるのかな、と車を見守っていたのですが、なかなか発進しません。
ちょっと中の様子をうかがうと、どうやらナビと格闘している模様。
ここは私が一肌脱ぐかとなぜか調子付いて、スマホを手に彼らの車に近づきます。
気づいて旦那さんが運転席の窓を開けました。
「あ、ごめんなさい。あの、これこの付近の地図なんですけどね」
「あ! はいはい……」
私のスマホの画面に注目する彼。そして助手席からのぞき込む奥さん。
「ほら、ここに丸池様って書いてあるでしょう? 地図上でこの丸池様に一番たどり着けそうな道はこれなんですけど、それがほら、今車の正面にあるあの道なんですよ」
「おお……舗装されてない」
「そうなんです。しかもほら、あの向こうのほう」
私が指さした方向。舗装されていない彼の道を数百メートルほど進んだ先で数台の車が右往左往。
「あ! もしかしてあの車も迷ってる……?」
「ええ。おそらく丸池様に行こうとして。僕らと同じ考えであの道を行ってみたけど、たどり着けないんですよ。そして……」
「あらら、一台こっちに戻ってきた」
「という事はあの道じゃないんですよ。とすると、残るルートは一見遠回りに見えるけど……」
再びスマホ画面に視線を落とす私とご夫婦。
「この道をこう行って、これ、箕輪鮭孵化場。ここに行けばどうにか丸池様に行けるんじゃないかと思うんですが」
「はーなるほどなるほど」
皆して実際のルートを確認しようと顔を上げると、丁度一台、鮭孵化場へ向かう車がありました。
「たぶん合ってるんじゃないですかね?」
三人がお互いに顔を見合わせて、笑みをこぼしました。

「えっと、僕にできるのはこれくらいで。先確かめて来てください。僕も後から行きます」
「ありがとう。いやー助かりました」
彼らの車は先に鮭孵化場へ向かっていきました。
それからすぐ、私はぷらぷらと後を追いかけました。良い事をしたなんて思いながら。
そして見つけたんです。
……箕輪鮭孵化場へ続く道の脇に、けっこうでかでかとした「丸池こちら」の看板を。
やばい。かっこわる。
何をさっきまで名探偵みたいな振る舞いをしておいて(しかも大した推理じゃないし)。
全然わかりやすい道案内あるじゃん。うわぁ〜恥ずかしい。
方向音痴のくせに柄にもなく調子に乗ったせいだ。
私が孵化場に着くと、あのご夫婦が律儀にも待っていてくれました。
「あはは、見ました? あんなにわかりやすい看板が。僕の立場ないよ〜」
こう言っておどけるのが精いっぱい。バカみたい。いやバカなんですけど。
彼らもいやはやと笑いながらフォローしてくれました。やさしい。
ともあれ、これが私の丸池様へたどり着いた顛末でした。

ラベル:山形
posted by いしの at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅の目的地 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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